気温が高くなる夏場は、適温のお湯のつもりでさわると、思いがけないお湯の熱さにびっくりすることがあります。
給湯器が故障したのかと心配になりますが、実はそうとも限りません。
給湯器から出るお湯が設定温度よりも高くなる原因は、水道水の温度がもともと高くなっているためです。
給湯器は、お湯側の水栓をひねることで内部に水が流れ込み、それを温めることでお湯を出すという仕組みになっています。
給湯器が水道水の温度を感知してその温度に応じて火力を強めたり弱めたりしているというわけではありません。
気温が高くなる日には、水道水の温度がそもそも高くなっています。
洗い物をするときなど、夏場は水がぬるく、冬場は冷たく感じる経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
夏場の特に暑い日は、給湯器で沸かす前から水がかなりの高温になっていることがあります。
それでも給湯器は水温を感知して火力を調整することができないので、普段通りに水を温めてしまいます。
その結果として、いつも通りの設定温度でお湯を出すと想定よりも高温になってしまうというわけです。
暑い季節に起こるその他の変化
暑い季節の給湯器には、お湯の温度が高くなること以外にもいくつかの変化が見られます。
まず、お湯の量が増えます。
夏場の温かい水道水はすぐにお湯になるため、水が冷えている冬場よりも多くのお湯を用意することができます。
そのため、気温が高くなる夏場は他の季節よりも水栓から出てくるお湯の量が増える傾向にあります。
たとえば夏場、水道水の温度が20℃ある場合には1分間に30リットルのお湯を用意することができます。
一方で水温が5℃しかない冬には、1分間に用意できるお湯の量は17.1リットルにまで落ち込んでしまうのです。
また、給湯器の炎マークがついたり消えたりする現象もしばしば見られます。
給湯器のリモコンは、給湯器の使用中には炎のようなマークが表示され、お湯を沸かして使っていることが分かるようになっています。
ですが夏場、お湯を使っている最中に給湯器のリモコンを見てみると、ときどき炎のマークが消えていることがあります。
これは「間欠燃焼」によるもので、お湯の適切な温度を保つために給湯器内部で燃料を燃焼させたり、止めたりしていることを示しています。
先ほど紹介した通り、夏の気温が高くなる時期には水道水の温度が高くなり、設定温度よりもさらに熱いお湯が出てしまう現象が起きやすくなります。
お湯を温めすぎることをできるだけ避けるために、燃焼を断続的に行い、ほどほどに水を温められるような機能がついているのです。
お湯を使っているのに炎のマークが消えているからといって、必ずしも給湯器が故障しているというわけではありません。
給湯器の故障が疑われるケース
夏場に給湯器から熱いお湯が出る場合、他の季節ではあまり見られない現象が起こったからといって必ずしも故障しているというわけではないと、ご紹介してきました。
ですが、中には本当に給湯器が故障しているケースもあります。
故障が疑われるケースとしては、「給湯器を使っていると異音がする」、「給湯器のリモコンにエラーと表示されている」などが挙げられます。
そういった分かりやすい要素は見当たらないけれど心配な場合には、出すお湯の量を増やしてみるという方法で故障かどうかをチェックできます。
やり方はとても簡単で、ただ水栓を思いきり開き、たくさんのお湯を出してみるだけです。
沸かすお湯の量が多くなればそれだけ沸かすためのコストもかかるので、いくら水道水の温度が高くてもさすがに水温は設定温度程度に落ち着きます。
また、夜や早朝など、日が沈んでいて水道水の温度がある程度下がっている時間帯にお湯を出してみるのも有効なチェック方法です。
ただ地域や天候によっては夜でも暑いところもありますので、涼しいかどうかを確認してからチェックしてみてください。
先ほどご紹介したメカニズムでお湯が熱くなっているとすれば、この2種類の方法を試せばお湯の温度は適切な高さにまで下がるはずです。
出すお湯の量を増やしたり涼しい時間帯にお湯を出したりしてもなお、設定温度より熱いお湯が出るようであれば、故障が疑われます。
特に10年以上の長い間使用している給湯器は故障のリスクも高いので、当社に相談ください。